デザインがかわいいだけではない、手ぬぐいの機能性と使い方
近年では専門店もできるほどのちょっとした雑貨感覚になってきた手ぬぐい。
歴史は古く、時代の移りかわりと共にその役割りも移り変わってきました。
昔のタオル的アイテムというイメージが強い手ぬぐいですが、起源は平安時代の神事の際の装身具と言われています。綿は貴重なものだったんですね。一般の人々の生活の実用品となったのは、綿が栽培されるようになった江戸時代からといわれています。
明治時代、「注染」という染めの技法が考案され、染めの幅がぐっと広がりました。
デザインも豊富になった今、実用品として、観賞用として、またはラッピングにと、用途も多種多様です。
そんな手ぬぐいの使い方など、その魅力をお伝えします。
主流の染め方は二通り。「注染」と「手捺染」
注染
型紙を使います。糊付台に型を打ち付け、固定し、生地の上に置きます。ヘラで糊を置いていきます。型のところが糊づけされるので、その部分は染まりません。
12メートルのさらしの生地に、手ぬぐいの長さに折りたたみながら型で糊づけしていきます。だいたい1反につき12回くらい繰り返すことになります。
ここから染めに入りますが、いきなり染料をかけるのでなく、染める部分(同じ色の部分)を土手のように糊で囲います。壷人(つぼんど)と呼ばれるものです。その土手内に染料を流しこみます。
この作業を色数分だけ繰り返します。
江戸時代に伝わった染めの方法です。手間がかかるようですが、当時は大量生産できる、貴重な技法でした。
手捺染(てなっせん)
注染とは反対に、染めたい部分を彫りぬいた型を、紗(しゃ)を張った枠に貼り付けます。型は色数だけ必要となってきます。ヘラで型の上を染料を刷り込むように染めていきます。
色の数だけ型を変え、同じ作業をくりかえします。
それぞれの特徴は以下の通りです。
注染 | 手捺染 | |
染め | ぼかしなどもでき、柄の輪郭が滲むこともあり、染め特有の風合い | 細かいデザインに適用でき、輪郭もくっきり仕上がる |
特徴 | 生地の上から染料をなでつけるため、裏表ができる | 生地の裏表両面染まる |
価格 | 比較的安価(一般的にはこの手法) | 少し高め |
手ぬぐいはオーダーメイドもできます。
専門店で問い合わせてみてください。
個人的な意見ですが、手ぬぐいは色落ちしますが、手染めをおススメします。
江戸時代から伝わってきたそのアイテムが今や専門店ができるほどの定番アイテムになりました。せっかくならプリントでなく、手染めの独特の風合いも一緒に楽しみませんか。
手ぬぐいをもっとおしゃれに使う
手ぬぐいはタオルのように拭くだけでなく、今や額縁が売られるほどそのデザイン性も豊富になりました。一枚の絵のように飾る人もいるようです。
そんなデザイン豊富な手ぬぐいはギフトのラッピングとしても最近は利用されています。
手ぬぐいは衛生的で実用性抜群
手ぬぐいって両端切りっぱなしですよね。
ほつれる!と思っている方も多いと思いますが、あれは乾きを早くするため。早く乾くので雑菌が繁殖しにくく、いつも清潔で使えます。
おしゃれアイテムもいいですが、もう一度手ぬぐい本来の使い方をみなしてみませんか。