十五夜に次ぐ 美しい月 夜空を見上げてパワーをいただく
2017年の中秋の名月、いわゆる十五夜は10月4日でした。
東京ではちょっと雲が多かったですが、雲の切れ間からのぞかせる月は本当に明るく、輝き放っていました。
空気が乾燥しはじめる季節の月は特にキレイに見えることから中秋の名月というものができました。
十五夜は新月から数えて15日目の月のこと、言ってみれば毎月存在するものです。
旧暦の9月に月を見て祝う風習は、そもそも中国の文化からきたもののようですが、日本人は特に月を愛でる体質にあることから、収穫を祝う習わしとして根付きました。
さらに月は、不思議なパワーがあると今でも信じられています。
最近、家でお団子をお供えすることも少なくなったと思いますが、不思議と片見月は縁起が悪いなどということも耳にするようになりました。
きっと日常と月は切り離せないものを、潜在的に感じているんですね。
十五夜を楽しんだら十三夜も
十三夜は旧暦9月13日にあたる、十五夜の後にくる十三夜のこと。
「後の月」とも呼ばれます。
2017年は11月1日になります。
何をするか?
十五夜と同じですね。
お団子のお供えとススキをかざります。
また、十三夜は十五夜がイモだったのに対し、栗や豆をお供えしたりもします。
これらの収穫を祝う意味もあるのです。
ススキは魔除けの意味と、「依り代(よりしろ)」という、神様をお招きするものの意味もあります。
お団子の数は十五夜の15個に対し、十三夜は13個となります。
片見月ということで、どちらかの月だけを見るのは縁起悪いとされています。
最近は不思議とこれだけ独り歩きしている印象があります。
東京ではとくに同じ場所から見るものとされているようです。
これは地域によっても異なるようですね。
理由は諸説あって定かではないですが、江戸時代中秋の月見を自宅以外で眺めると、片月見とならないように後の月見も十五夜のときと同じ場所に出かけていって眺めないといけない。
とされていたようです。
これを営業戦略にしたのが吉原。
客寄せに中秋の名月に遊女と月見し、十三夜も同じ場所で月見しないと災いがおこると十三夜にも登楼させたと言われています。
十五夜が中国から伝わってきた風習に対し、十三夜は日本特有の習わしのようです。
月のもつ不思議なパワー
元々日本人は月と密接につきあう国民性です。
月にさまざまな、ストーリーを築きあげていきます。
月の満ち欠けに以下のような呼び名があること、ご存知でしたか?そしてその日の月に向かい、願いを託すのも日本人ならではのような気がします。
新月 | 目では見えません。新しいことに挑戦するのにいいとされています |
三日月 | 願いをするとかないやすいとも信じられています |
上弦の月 | 月のパワーが発動して頂点へ向かっていくとき |
十三夜 | 十五夜に次いで美しい形。これから満ちていくという意味で縁起良いとされている |
満月 | 願いを成就するパワーをもっている。一晩中見ることができる |
十六夜(いざよい) | 満月に比べるとやや遅く上がることから少々ためらっているように見えるということでついた名前 |
立待月(たちまちづき) | 日没後外に出て待っていると現れることからこの名がついた |
居待月(いまちづき) | 立って待つには長すぎるので、座って待たなくてはならないところからこの名がついた |
寝待月(ねまちづき) | 臥待月(ふしまちづき)とも呼ばれるほど上がってくるのが遅い |
下弦の月 | 夜中の東から上る月 |
下弦の三日月 | 夜中1~3時くらいに上る月。三尊の仏像が現れるという縁起のよい月 |
明けの三日月 | 太陽が上る前に見える願い月 |
最近は満月の夜に財布を月に向かって振ると金運アップなど、さまざまな月パワーをもらう活動が広まっているようですね。
十三夜イベント
十五夜ほどメジャーでないため、一部ではありますが、イベントなども開催されています。
十五夜に続き、十三夜デートなどはいかがでしょうか。
【深大寺】
十三夜の会(10月~11月頃)
深大寺では「十三夜の会」と称し、山門において天台聲明(しょうみょう)や能舞邦楽の演奏による観月会を行っています。
住所:東京都調布市深大寺元町5-15-1
電話:042-486-5511
【旧安田善次郎邸】
旧安田善次郎邸十三夜月見会
11月1日(水)趣ある日本庭園の旧安田善次郎邸で、もうひとつの名月を十三夜月(栗名月)愛でる夜会を開催致します。
【開催日程】2017年11月1日 17:00-20:00 (受付16:30開始)
【開催場所】 旧安田善次郎邸
【参加費・定員】4000円/1名 (音楽鑑賞、お弁当込) 定員:30名
【申し込み】 詳細は、公式ページにて追ってお知らせされます。
たまには月を見上げてみませんか。
きっと月のパワーがいただけるはずです。