目次
ひな人形の選び方は?飾る期間は?
さらに意外と知らないひな人形にまつわるマナー
ひなまつりが近付いてきました。
上巳の節句、女の子の成長を願う大事な習わしです。
最近ではひな祭りパーティと称してママ友仲間でのイベント化していますが、
本来は家族、親戚など身内で祝う大切な行事です。
そこにかかせないおひなさま。
飾る時期や飾り方。ちゃんと理解できていますか?
子どもにちゃんと説明できるよう、前知識はしっかり入れておきたいですね。
ひな人形の選び方いつ買う?誰が買う?
女児が生まれてから最初に向える節句が、初節句になります。
多くの家ではそのタイミングでひな人形を用意します。
昔から母方の祖父母が買って贈るというのが習わしでした。
雛飾りが古くは嫁入り道具のひとつだったことが理由のひとつのようです。
ただし、最近では両家折半する場合や、その住宅事情や好みのものを選びたいという夫婦も増え、両親から贈られるのではなく、一緒に選ぶということが多くなったようです。
買う時期は初節句を迎える年の1月~2月中旬までがいいかもしれません。
デパートなどに雛人形が最も多く並び、いろいろ比較しながら選べます。
有名な久月や吉徳といった専門店ではもちろん1年中取り扱っていますので、早めに相談できますね。
最近では驚くほど変わり種のおひなさまなどがあって、見るだけでも楽しくなります。
選ぶ時は飾る場所を決めて、寸法をしっかり把握しておくことです。
ひな人形の種類ってあるの?
ひな人形は自分の災いを紙の人形(ひとがた)に移し、川などに流す習慣が転じたものと言われています。
そのため、このようなものでないといけないというルールはありません。
ご家庭の住居にあわせて選んでください。
また、ひな人形は専門の職人さんの手で作られた工芸品のため、人形のお顔も一点一点違うはずです。
ぜひじっくりと見てお好みのものを選んでくださいね。
以下、ぜひおひなさまを選ぶ際、参考にしてください。
七段飾り
親王、三人官女、五人囃子、随身、仕丁の計十五人が揃った、完全形のひな人形です。
昔はこのスタイルが一般的でした。
さまざまな表情を持つ人形が細かく作られた小物といっしょに飾られると、一気にひなまつりのテンションがあがります。
最近ではスペースの問題からあまり人気がないようですが、これが飾れたら素敵ですよね。
残念ながら収納スペースもけっこうとるので、戸建の収納スペースも確保できる方におススメです。
三段・五段飾り
七段飾りより、当然場所をとりません。ただし収納にはそれなりのスペースが必要になってきます。
三段飾りは親王・三人官女・雛道具。
五段飾りは親王・三人官女・五人囃子・随身・雛道具という組み合わせになっています。
親王飾り
お殿様とお姫様だけのひな人形です。
飾るスペースが少なく、最近の住宅事情に合っていることもあり、人気のおひなさまです。
小さいものは幅60センチ、奥行き30センチ以下のものも。
段飾りのような華やかさはありませんが、れっきとしたおひなさまです。
収納型として、収納箱がそのまま台座になるタイプも人気がでています。
箱から出してそのまま飾れ、飾り付けも簡単。
ケース飾り
ガラスケースの中に親王だけでなく、三人官女が一緒に飾られる場合もあります。
飾るのはもちろん簡単で、場所を問いません。
小さいながらにして作りの細かいものも多く、最近の定番となりつつあります。
木目込み人形
独特の芸術性や作家の個性があり、愛らしい人形です。
スペースもとらず、さまざまなバリエーションがあるので、好みのものが選べます。
そのほか、吊るし雛など、地域によってさまざまなおひなさまがあります。
これが正解というものはありません。
お好みで選んでいいと思います。
ひな人形はいつ、どのようにして飾る?
ひな人形はいつに飾るという決まりはありませんが、大体立春をすぎた2月24日くらいに飾るのが一般的のようです。
遅くても1週間前までに飾るのがベスト。
たったひとつタブーなのは、前日に飾ること。
お正月の松飾りと同じく「一夜飾り」として好ましくありません。
しまう時期は「早く片付けないと婚期が遅れる」などといった言い伝えがありますが、根拠はないそうです。
現在においては、3月4日が雨などといった湿気の多い日なら、カラッとした日にしまうのが人形の保存のためには良いとされています。
ただ、出しっぱなしもホコリを被るだけなので、それも避けたいところです。
ひな人形飾り方
雛段の場合、上段から飾って行きましょう。
下段かざってからでは、ひっかかったりして危険です。
また、方角などは関係ありませんが、直射日光のあたる場所はさけましょう。
人形が傷む原因になります。
【一段目】
一番上段は『お内裏さま』。両脇にボンボリ、後ろには金屏風を飾ります。
男雛と女雛の間には、お神酒を載せた三方を飾ります。
・関東では、向かって左側が男雛で右側が女雛
・京都や関西の一部では、向かって右側が男雛で左側が女雛
とされていますが、これは歴代の天皇と皇后の並び方に準じてという説があります。
京都などでは昔ながらの並び方をそのまま継承しています。
なので、どちらが正解ということはないそうです。
【二段目】
三人官女を飾ります。一人だけ座っている場合は、その官女を中央にし、その手には三方を持たせます。
向って左には加銚子、右には長柄銚子を持たせます。
三人官女の間には高坏(たかつき)を置き、お餅などを飾ります。
一人だけ立っている場合は、立っている官女を中央にします。
【三段目】
七段飾り・五段飾りの場合は五人囃子を飾ります。
関東では能楽の地謡と囃子方を並べますが、関西では雅楽の楽士を並べる場合もあるそうです。
向かって右から謡い(うたい)・横笛(よこぶえ)・小鼓(こつづみ)・大鼓(おおつづみ)・太鼓(たいこ)の順となっています。
三段飾りの場合、ここには雛道具を飾ります。
【四段目】
随身(ずいしん)という、御所の警護の武官を飾ります。
右大臣・左大臣を両脇に飾りますが、内裏雛からみるので、向って左側に右大臣、右側に左大臣を飾ります。
その間には菱餅などを飾ります。
【五段目】
七段飾りの場合、仕丁(しちょう)の三人を飾ります。
「三人上戸(さんにんじょうご)」とも呼ばれ、泣き・笑い・怒るのそれぞれの感情を表しています。
両脇には向かって左に橘、右に桜を置きます。
五段飾りではここに「雛道具」を飾ります。
【六・七段目】
雛道具を飾ります。上流階級の婚礼道具です。
長持(ながもち)・挟箱(はさみばこ)・御駕篭(おかご)・御所車(ごしょぐるま)などがあります。
これはNG?ひな人形にまつわるマナー
意外と知らないひな人形に関する知識。
準備する前に知っておいてください。
自分のひな人形を娘に引き継ぐ
自分が母親から買ってもらった思い出深いひな人形。そのひな人形をさらに自分の娘のために飾りたいという気持ちは分かりますが、
これは実はNG。
ひな人形は先に述べた通り、「人形(ひとがた)」に穢れを移して難を逃れ、女児の無事成長を願う意味があります。
つまり、自分のひな人形は自分が成長した時点で役目を終えていることになります。
子供には、「その子の災厄を引き受けてくれる」新たなひな人形を用意する必要があるということになります。
自分のひな人形を嫁入り道具として実家より持ってきた場合は、新しく買った娘のひな人形と一緒に飾ります。
それは問題ありません。
親戚や知人に譲る
同じ理由から、知人、親戚などに譲渡するのはNG行為とされています。
相手がこのことを知らないで、譲ってほしいと言われた場合はその理由を伝え断りましょう。
需要はあるかもしれませんが、ネットなどで売るのも好ましくないですね。
義父母から買ってもらったひな人形のお返し
元々は祖父母が孫娘のために買うのが通例だったため、お返し(内祝い)はいらないとされています。
もしお礼として何か贈りたいという場合は、初節句のお祝いの会に招待したり、ひな人形と一緒に撮った娘の写真を送ったりしてもいいかもしれません。
何か品物を贈る場合は、「紅白蝶結び」ののし紙の表書きに「内祝」、名前は娘の名字を省いた名前のみを書きます。
宅配の贈り状にはもちろん、親の名前で送りましょう。
まとめ
ひな人形を飾る家も住宅の事情からどんどん簡易化しているようですが、あくまで子どもの災いを引き受けてくれる形代。
豪華なものでなくてもいいので、ちゃんと初節句までには準備を。
お子さんが無病息災で成長できますよう、すてきなひなまつりにしてくださいね!
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