「重陽(ちょうよう)の節句」
5節句のひとつで、3月3日が桃の節句、端午の節句、七夕の節句につぐ節句です。
(1年の締めくくりの節句とも言われています。)
元々奇数は縁起のよい数字という考えがあり、その最大数の9という数字がかさなることから、この節句は特に縁起の良い節句といわれています。昔から「不老長寿」または「繁栄」などを願い、祝う節句とされてきました。
最近ではこの節句そのものを知らない方も多くなったのではないでしょうか。
別名「菊の節句」とも言われており、菊を愛で祝うことが風習だったようです。
江戸時代にはこの日に各国の諸大名が江戸城に集まり、菊酒を飲み、栗飯を食べて菊花を観賞する行事があったとか。
さらには、この節句、風水的にもパワーのある日と言われており、9月は特に金運が強い月でもあることから、重陽の節句に黄色い菊を飾ると金運がアップするということもささやかれています。
(真意はどのくらいのものかは存じませんが、、、。)
なんにせよ、昨今マイナーになった節句ですが、なんかめでたさ満載の節句ですよね。
これを逃す理由はありません。日本のしきたりの一つとして存分に味わいつくしませんか?
どう祝う?重陽の節句の楽しみ方
元々、菊の節句とも呼ばれるだけあり、菊酒(菊を漬けこんだお酒)で祝ったともいわれています。
ただ、最近では入手困難ですね。お酒に菊の花びらを浮かべていただきましょう。
漆の杯などでいただくのも風情があっていいですねー。
また、お風呂の湯船に菊の花びらを入れたり、菊の花びらをつめた枕で寝て、邪気を払うということも昔は行われていたようです。まあ、このあたりはできる範囲でいいかと思います。
菊は高級な階級の花だったため、江戸時代、庶民は旬の栗を使った料理でこの節句を祝ったそうです。「栗の節句」なんて呼び方もあったとか。
栗おこわなどたいてみるのもいいですね。また、秋ナスもこの節句を祝う食材の一つです。
お吸い物には菊の花びらを浮かべれば、もう抜かりなし!です。
この時期、菊をモチーフとしたお菓子も出回るので、そんな楽しみ方もありますね。
そこまで?と思うかもしれませんが、「菊づくし」という言葉もあるほど、昔は菊の絵柄の器や菊を使った料理など菊にこだわり、健康を祝いました。
重陽の節句にお雛様?
最近はその言葉も知りませんが、桃の節句のちょうど半年後の重陽の節句にお雛様を飾る風習があったそうです。「後の雛(のちのひな)」と呼ばれるものです。
お雛様を1年もしまいっぱなしにせず、虫干しのためにもこの時期飾られていたようです。江戸時代、庶民の間で広がりました。女の子の桃の節句に対し、後の雛は大人の雛まつりといったところでしょうか。家にお雛様がある方は、娘のためでなく、自分のために飾ってみるのもいいかもしれません。
きっと邪気がはらわれ、その年の残りの月日を健康で充実した日々を過ごせるでしょう。
9月は月のパワーをいただける時期
9月は中秋の名月もあるあほど、月にまつわる行事が多いです。
月の満ち欠けが人間の生命と深く関わっていることは衆知の通りですが、その時期の節句に意味がないわけがありません。
なぜ日本の習わしとして他の節句と比にならないほど知名度が失われたのかは分かりませんが、風水でも言われるほどこの時期は自然のパワーがいただけるときです。
実りの秋・収穫の秋、生命がみなぎるこの時期。
今一度日本の風習を味わいながら、心豊かに過ごしてみたいですね。