1000余年の歴史を誇る 福島県の祭り相馬野馬追(そうまのまおい)
相馬野馬追(そうまのまおい)というお祭りの名前は知らなくても、ニュースなどで一度はその様子を目にしたことはあるのではないでしょうか。
福島県、相馬市・南相馬市に伝わる、国指定重要無形民俗文化財指定のお祭りです。
数年前の東日本大震災で甚大な被害にあった、福島県。この相馬野馬追も存続の危機に陥りました。
ただ地元の熱意と周りのサポートより、今も少し規模を縮小し、3年前には観光客も20万人を超えるお祭りとなったそうです。武士の訓練が発端となっている相馬野馬追。
今年の日程とお祭りの見どころをご紹介していきましょう。
相馬野馬追の概要 そもそもどんなお祭り?
その名と通り、馬に関する(?)祭りです。
祭りは3日間にわたり、その日によって開催される内容は異なっています。
そもそもの祭りの始まりは、平将門が武士の軍事訓練の一環として馬を放し、敵に見立ててとらえていたことから。(この名がでたことから歴史にうとい私でも古くからの行事であることがわかります)
一時期、その訓練も衰退しましたが、何代か後になり、その風習が復刻し、捕らえられた野馬を神馬(しんめ)として、神前に奉納したことから現在のお祭りの形となりました。
1978年、国の重要無形民俗文化財として指定されました。
今年の日程は
2017年 7月29日~31日
です。
各日の開催内容を見ていきましょう。
・初日 7月29日
出陣式・総大将御迎・宵乗り
ネーミングが違いますね。
この日のメインは、総大将御迎、宵乗りと呼ばれる、行事です。
総大将お迎えの儀式は古式に則ったかたちとなっているそうで、非常に厳かで画になると評判をよんでいます。
宵乗りは、古式競馬のこと。もちろん今のジョッキーのような格好ではなく、みなさん、白鉢巻に野袴・陣羽織といういでたち。この迫力と熱気はものすごいものです。
・2日目 7月30日
相馬野馬追・帰り馬行列・火の祭
メインイベントの相馬野馬追はこの2日目に行われます。
相馬野馬追は
・お行列 南相馬市(原町区)
・甲冑競馬 南相馬市(原町区)
・神旗争奪戦 南相馬市(原町区)
から成り立っています。
お行列は花火を合図に、三番螺、陣太鼓がが鳴ったら、出発。
総大将、副大将、執行委員長、軍師、副軍師、郷大将、侍大将、軍者、組頭、螺役長、勘定奉行・・・などの役付騎馬が総勢500ほど、3キロに先の祭場へ向かいます。
圧巻ですよね。
テレビ大河ドラマなどでしか見たことのない、合戦間際の光景が目の前を通っていくのです。
そして甲冑競馬。
先祖伝来の旗差物をなびかせながら風を切って疾走する様もよくニュースでみる光景です。
続いては神旗争奪戦。この祭りの一番のハイライトかもしれません。
空中に炸裂した花火の中から二本の御神旗を求め、一斉に騎馬が走り出します。
その旗の奪い合いが、この祭り最大の見どころといってもいいかもしれません。
刀はないにしろ、甲冑をまとった武士が騎乗合戦を行うというのは、他に例をみないでしょう。
この日は火の祭と呼ばれる、いわば花火大会で幕を閉じます。
ここまで観たい方は日帰りではなく、宿泊計画も。
・最終日 7月31日
野馬懸
神に奉納する馬を追い懸ける行事で馬に乗って追い懸けるのではなく、数人が逃げる馬を「走って」追いかけ、素手で捕えるという行事。
一見、あれ?と思うかもしれませんが、これが昔の名残を留めている唯一の神事といわれているそうで、国の重要無形民俗文化財に指定される重要な要因となったとも言われています。
こうして、3日にわたる相馬野馬追は終わります。
計画はお早目に
一番手っとり早いのは旅行会社の企画するツアーに参加することです。
日帰りコースもありますし、一名から参加できるコースもあります。
個人で行く場合は、観覧席の申し込みも行っておいたほうがいいかもしれません。
一般自由席は6月1日から発売開始です。
最後に 相馬野馬追に興味を持った方に
先の震災で、ここ相馬地区も相当の被害をこうむったそうです。
復興がままらない中、こうした伝統が維持されているのは、本当に感服するばかりです。
ただ、行政はかなり厳しいらしく、各地からの寄付金を募っているようです。
ふるさと納税というかたちでも募集しているようなので、ぜひご検討ください。
>>相馬野馬追への寄付のお願い(相馬市)
>>ふるさと納税制度のご案内